2024.12.03
矯正用インプラントってなに?:アンカースクリューを用いた矯正
歯並びを美しく整えたいと考えている方にとって、矯正治療は魅力的な選択肢の一つです。
従来の矯正治療では、歯と歯を全体に力をかけてゆっくりと動かしていく方法が主流でした。この方法では、意図しない歯まで動いてしまう可能性があり、それを防ぐための複雑なテクニックが必要でした。
矯正用インプラントは、アンカースクリューと呼ばれる小さなネジを顎の骨に埋め込み、それを固定源として歯を動かす方法です。インプラントは歯根膜を持たないため、基本的に動くことがなく、強固な固定源として機能します。また、歯のない場所に埋め込むため、歯を動かす方向への力を効率的にかけることができ、複雑な歯の移動も比較的シンプルに実現できるといわれています。
アンカースクリューとは?
アンカースクリューは、直径1~2mm、長さ6~10mmほどの小さなチタン製のネジです。チタンは生体親和性が高く、骨と結合しやすい性質を持つため、インプラント治療によく用いられる素材です。
アンカスクリュー併用矯正のメリット
- 治療期間の短縮: 従来の矯正治療に比べて、歯をシンプルにうごはすことができることで治療期間を短縮できる可能性があります。
- 歯の移動量の増加: アンカースクリューを固定源とすることで、より多くの歯を効率的に動かすことができます。
- 抜歯の可能性の減少: 歯を動かすスペースを確保するために、従来の矯正治療では抜歯が必要となるケースがありました。しかし、インプラント矯正では、アンカースクリューを利用することで抜歯を回避できる可能性が出てくる場合があります。
- 適用範囲の拡大: 従来の矯正治療では困難であった症例にも、有効な場合があります。
アンカスクリュー併用矯正のデメリット
- 外科手術が必要: アンカースクリューを埋め込むためには、簡単な外科手術が必要となります。
- 術後の違和感や痛み: アンカースクリュー埋入手術後、一時的に違和感や痛みを感じることがあります。
- リスクと合併症: まれに、アンカースクリュー周囲の感染や炎症、神経麻痺、歯根への損傷といった合併症が起こる可能性があります。
他の矯正装置との併用方法
アンカスクリューはさまざまな矯正装置と併用することが可能です。
ワイヤーだけでなくマウスピース型矯正装置との併用も可能となっています。
まとめ
インプラント矯正は、アンカースクリューを用いることで、より効率的に歯並びを改善できる治療法です。しかし、外科処置が必要となること、合併症のリスクがあることなど、デメリットも存在します。
その他
- アンカースクリュー併用矯正は、すべての症例に適応できるわけではありません。
- 治療期間や費用は、症例によって異なります。
- 費用は、使用するアンカースクリューの種類や本数、矯正装置の種類、治療期間などによって異なります。
- 健康保険は適用されず、全額自己負担となります。